最近の(特に2000年以降の)子供の名前に見られる、暴走族のような当て字(愛羅=あいら、など)やアニメのキャラクターからとった当て字の名前(光宙=ぴかちゅう、など)のような、なかなか読みづらい名前をDQNネームと呼ぶ場合がある。正確な定義はないが、一般的に使われる「珍名」とほぼ同義である。一説にはベネッセコーポレーション発行の育児雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」およびその増刊号の「名づけ特集」の影響もあるといわれる。評論家の呉智英はこれらの名前を「暴走万葉仮名」と定義づけている。
* 漢字の読みを無視している。
軽い部類では愛を「あ」と読ませるように読みの一部省略。さらに漢字が表意文字であることを利用して、英語読みをしたり(黄金=ごぉるど)、新しい読みを創造するケースまである。フリガナがふられていない場合、通常の読みで読まれてしまうという弊害がある。また、翔とか良といった末尾が「う」で終わる漢字を「しょお」「りょお」といった具合に響きから「お」に変えてしまうこともある。
* 言葉自体に別の意味がある。
「海に浮かぶ月」をイメージして「海月」と名付けたらクラゲだったという具合に、言葉に意味がある事を知らずに名づけてしまうケースがある。また、亜奈流、舞良、妃仁といったように読みが卑語になってしまうケースや慈檀や斗亭のように好きな選手の名をつけるのはいいが姓の方を名にしてしまうケース、更には空をアクア、金星をマーズというように英語読み自体が間違っているケースもある。
* 人間外の名前をつける
コアラといった動物の名前や、ココアといった食べ物の名前、惑星のケースもある。更にはハム太郎といった具合にアニメの人間ではないキャラクターをつけるケースがある。
* 性別の混同
男の子に一般的に女の子の名前とされる名前をつけたり、逆に女の子に男の子の名前をつけたりする場合。
* おこがましい
神とか救世主とか、あるいは天照といった具合に偉すぎる名前。
* ありきたりの名前が嫌で、世界の中でただ一つの名前をつけたがる。
* 言葉に対する知識不足。
* 響きやイメージの優先。
* 親と世間の価値観のズレ、あるいは押し付け。
名前というのは親がいいと思った言葉を名づけるもので、価値観の押し付けがない名前など存在しない。しかし、ここで問題になるのは親の価値観が常識とズレていることに気づいていないことである。このため、通常つけてはいけないと考えられているものまでつけてしまうことになってしまう。親の好物や趣味、更には事情などを名前という形に押し付けることもあって、それによって子供に悪影響があるのであれば愛情というより親のエゴでしかない。価値観の押しつけが子供の生涯にどう影響するかを考える必要がある。
* アニメや漫画の影響
注意するべきなのは、たとえ現代日本を舞台とする作品であってもフィクションの世界と現実世界の常識は違うという点である。
現実世界ではDQNネームとされるような名前であっても作品内ではそうではない、ということを認識する必要がある。フィクションでは特に設定がない限りはDQNネームであるかどうか考慮することもないし、レイアースの登場人物のように車の名前で統一されているケース、奇面組のように名前自体がギャグになっているケース、八犬伝のように名前に意味をもたせるケースなど、作品への味付けとして名前をつけている場合がある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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