介護保険は死んだ

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 そもそも、医療と異なり、高齢者の大多数が関係してくる介護保険の中身が国民に広く知らされていないのはおかしな話です。

 先般は損保、生命保険会社の保険金不払いが問題になっておりましたが今回の介護保険の改訂はこれにも匹敵するものと思います。

 それは契約時にある程度示されたサービスがその後詳しい説明も無く、4月から低いサービスしか受けれなくなるのは、保険金がいざというときに契約当初に示された額より少ない額しか支払われないと同じだ思います。

 保険はお金で支払われる、介護保険は介護という形でサービスを提供しているだけです。保険金不払い問題と違いがあるとでもいうのでしょうか。

 しかしながら損保、生命保険会社の不払いを厳しく指弾、指導しているのは介護保険サービスを国民に周知することも無く切り下げた政府・厚労省なのです。

 もし介護保健が同じ保険料の支払いで、一段低いサービスしか提供されなくなるなら、契約者である国民にどの程度サービスが低くなるか示されるべきでしょう。

 定額給付金だけは過大にアピールされておりますが、一緒に「4月から介護保険のサービスが思い切り下げられます」と一行書いて欲しかった。

 今回の改訂で90歳以上で、よぼよぼで杖をついて、あるいは老人車で移動し、風が吹けば倒れそうで、いつある日朝死んでいてもおかしくない超高齢者でもなんとか自分の事が自分でできたら、要支援です。まさに悲惨であります。

 テレビでみた悲惨な外国の老後の姿が日本での現実になりつつあります。

 国民皆保険が死に、年金制度が死に、そしてついに平成21年4月には介護保険も死んでしまうでしょう。

― posted by 大岩稔幸 at 10:28 pm

平安楽土

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 21世紀に入って早くも9年目を迎えたが、戦争の世紀であったといってもよい20世紀への反省は活かされずに、いまもなお世界の各地で、みにくい戦争が続発している。

 戦争がなぜ起きるのか。平和を構築するためには、戦争の研究をなおざりにすることはできないが、平和がなぜつづいたのか。平和であった時代の考察もさらに進める必要がある。

 徳川300年(実際は264年)は、平和の時代であったといわれがちだが、その内実は必ずしもそうではない。徳川家康が征夷大将軍となって開幕したのが慶長8(1603)年である。

 その後に大坂冬の陣があり夏の陣が起こる。元和偃武(げんなえんぶ)とはいうけれども、寛永14(1637)年には島原の乱が勃発する。総勢3万7000という反乱軍を12万余の軍勢で鎮圧した大事変であった。

 天保8(1837)年の大塩平八郎の乱、元治元(1864)年の禁門の変など、戦乱はあいついでいる。

 それに対して、延暦13(794)年の11月8日、都は平安京と命名され、「平安楽土」を願って展開された平安時代は、江戸時代よりもはるかに平安の時代であった。

 もっとも保元の乱(1156年)以後の京都の実相は、非平安だが、それまでの間にいくつかの政変はあっても、大規模な戦争はなかった。

 10世紀前半の承平・天慶の乱を軽視するわけにはいかないが、平将門や藤原純友らの武力蜂起は挫折した。

 平安時代が日本の各時代のなかで、もっとも平安の時代であったことが再発見され、平安時代がいかに平安の世紀であったかを、あえて強調したい。

 大同5(810)年の藤原薬子の変のおり、兄の仲成は死罪と定まったが、「死する者は再びかへらず、遠流無期の罪は死罪に同じ」として遠流となった。この「大同の例」は、保元の乱で平忠正・源為義が死罪となる日まで、守りつづけられた。

 実に346年の間、死刑の執行がされなかった、人類史上の稀有の都が平安京であった。その深いえにしをかみしめたい。











京都大学名誉教授
上田 正昭

2009年3月14日
高知新聞 夕刊 「灯点」ひともし

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― posted by 大岩稔幸 at 09:34 pm

死と眠りの神

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 ギリシャ神話にはヒュプノスという眠りの神が登場します。穏やかで心優しい有翼の美青年で,夜が訪れると地底の宮殿を出て人々に安らかな眠りを与えます。

 宮殿には3人兄弟の夢の神がいて,父ヒュプノスが眠らせた人の心のなかにさまざまな夢を生みだします。年長のモルペウスはあらゆる人間の姿に変身して夢に現われ,神のお告げを伝えます。薬物モルヒネの名前は,このモルペウスにちなんでつけられました。

 2番目のポベトールは動物の姿をして現れます。かわいい小動物で登場してくれればありがたいのですがその逆で,しかも悪夢の神なのです。ここから「恐怖症(フォビア)」という言葉が生まれました。

 3番目のパンタソスは物体の形で夢に登場します。姿形が奇怪であるばかりでなく.非現実的な夢を生みだします。ここから「幻想的な(ファンタジー)という言葉が生まれました。

 眠りの神ヒュプノスにはタナトスという兄がいてこちらは死の神です。ともに地底の宮殿に住んでいますが,性格は全く違って兄は鉄の心臓と青銅の心をもち「その時」が来ると容赦なく魂を奪い去ります。

 画像はこの兄弟神がトロイ戦争の英雄サルペードーンの亡骸を戦場から祖国リュキアヘ運ぼうとしているところです。死者の肩を支えているのが兄タナトス,足を支えているのが弟のヒュプノスといわれています。

 臨終に眠りの神が寄り添うのは,死に逝く者に永遠の眠りを授けるという大事な役目があったからです。

― posted by 大岩稔幸 at 11:20 pm

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